雷の音と覚悟
中 村 里 美  2008.8.30(Weblogぷらっとハッピー日記)


一昨日、そして昨日と夜中にすごい雷だった。

雨の音を一瞬に掻き消す雷の音を聞くたびに、私は、ネバダの砂漠で稲妻を見たときのことを思い出す。

地平線まで視界が広がるネバダの砂漠に響き渡る雷は、稲妻がしっかりと天と地を結ぶ。まるで怒った竜が天から地に向かって、一瞬に舞い降りてくるかのようだ。

砂漠をたたきつけるすさまじい雨に打たれながら、突然の夕立にテントまで戻ることもできないまま、呆然と立ちすくんでいた。乾いた砂漠の土が吸い込む雨は、この土地の生物にとっては恵みの水なのだ。しかし、私にとっては気を失いそうになる程の出来事だった

砂漠に生えている一番背の高いサボテンでさえ、私の足のひざの高さもない。逃げる場所などどこにもない。誰かに助けを求めてどうなるものでもない。

身一つ以外に、守るものは何もなく、しかし、その自分の身一つを守ろうにも、自分の力ではどうにもならない。努力も決意もあらゆる欲望を持って望んでも、なんの助けにもならないことがあることを、はじめて知った瞬間だった。

次はきっとあの稲妻が私の頭上に落ちるかもしれない・・・そう覚悟せざるを得ない。あまりの恐怖に、恐れを忘れた。
  
21歳のあの時、広大な砂漠の中で、あじわった覚悟の心境が、昨夜の爆音のような雷とともに蘇った瞬間、ひとつの曲が生まれた。
     
今私は、どんな覚悟を持って生きているだろう。漠然とした不安と恐れの中を勇気を持って前に進むなら、おのずとその答えも見えてくる。
     
覚悟の中で生まれる意志が、私をひとつにする。




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